自治体における

ISO取得企業への支援プログラム

−都道府県における

ISO9000/14000への支援内容−

鈴木 勝 すずきまさる (株)プラスワン総研  JAB登録審査員補

新聞では、ISO9000/14000の記事の掲載がない日がない。また、各雑誌でも、特集記事ということで、盛んに取り上げている。現在、企業がこれほど注目していえる関心事があるだろうか。今や、企業をはじめ、自治体をも巻き込んで活動を行っている。

ISO9000/14000を認証取得を行うことの企業、自治体におけるメリット、内外の有効性、付帯効果が現れることは多くの事例が証明している。このことが、さらに認証取得に拍車をかけている。

しかし、この唯一の欠点は、費用がかかることである。認証取得時の審査費、要求事項の解釈のためのコンサルタント費、内部監査員教育費、専任体制を引くための人件費等、認証取得を行うためには、多くの出費を覚悟しなければならない。

このような現実を踏まえ、自治体自身も有効性をみとめ、自ら取得活動をしている

ISO9000/ISO14000に対して自治体の企業への支援はどのようになっているのだろうかという興味と、支援プログラムがあるのならば、知らないで困っている企業の少しでも援助になればという思いで、都道府県に対し、アンケートを実施し、まとめたのでここに報告する。

 

アンケートは、都道府県の知事宛に1枚のアンケートを郵送し、それに答えて頂く方法を採った。回答は32都道府県から頂くことができ、回答率は68%であった。

 1.支援プログラムの有無

ISOに対する支援プログラムがあるかどうかの問いには、なんと97%が何らかの支援を行っているという回答を得た。これは、非常に高い数字である。この結果は、私自身も驚いている。自治体もやはり自ら認証取得をしようとしていることもあり、意識も高いのであろう。内訳は、ISO9000のみ支援を行っているが6.5%、ISO14000のみ支援を行っているが13%、ISO9000、ISO14000共に行っているが、81%であった。(図1参照)

 

2.ISO9000についての支援内容

ISO9000に対する支援内容を図2に示す。

第1位は、融資制度による支援とコンサルタント費用の補助、及びコンサルタントの派遣がそれぞれ共に22%である。次に、セミナー・講習会の開催、取得支援の補助と続く。

融資での支援を行っている都道府県は、コンサルタント費用の補助を行っているという傾向がある。また、セミナー、講習会のみというところも多い。注意して欲しいのはコンサルタントの派遣、セミナー、講習会はほとんどが有料での支援ということである。

 

3.ISO14000についての支援内容

ISO14000に対する支援内容を図3に示す。

第1位は、融資制度による支援とセミナー・講習会の開催でそれぞれ共に24%である。融資は、環境

ISOを導入する場合、施設整備に資金が必要であるという認識からだろうか。また、ISO14000は施行実施からの日が浅いことからセミナー・講習会が多いと考えられる。

次に、コンサルタント費用の補助、コンサルタントの派遣と続く。解説本の配布は、

ISO9000に比較すると多い、また、交流会の開催という回答もあった。

ISO9000支援、ISO14000支援共にコンサル費用ばかりでなく、取得全般の補助をしている都道府県が少ないのは気になる。

 

4.融資額と補助金

ISO9000/ISO14000における支援内容で共に上位の項目であり、企業が望んでいる項目である融資額と補助金について、解説を行う。

融資額、補助費については、

ISO9000とISO14000とで各都道府県にほとんど差がないためまとめて記述する。

 

  1. 融資額

    都道府県によって、融資額は1000万円から1億5000万円までと範囲は広く、金利も1.0%から2.6%と幅がある。

    運転資金と設備資金とを分けて融資を行っているところも多い。

     

  2. コンサルタント費用の補助

    補助金として30万円から200万円までとこちらも幅がある。補助率としても、費用のすべて、2/3、一部とまちまちである。また、コンサルタントの活動時間に対して時間いくらで補助するというところもある。

     

  3. 取得費用の補助

補助対象がコンサルタント費と決まっている訳ではなく、取得に関わる費用の補助を行う。補助金としては、50万円から200万円までで幅がある。

企業にとって、この補助が一番ありがたいと思うのであるが、実施している都道府県は非常に少ない。

 

 

5.まとめ

このアンケートからほとんどの都道府県で何らかのISOに対する支援をしていることがわかった。しかし、その内容を見てみると、非常にばらつきが多い。先進的な都道府県では、上記支援項目のすべてを対象にしているところもあった。

これらのことから、企業が認証取得を目指したら、各都道府県の担当窓口に問い合わせをすることをお奨めする。認証取得済の企業、認証取得活動中の企業でも一度は、問い合わせする事をお奨めする。

ISOセミナー、講習会に参加することができるかもしれないし、認証取得のアドバイスも受けることができるかもしれない。また、費用補助、融資の相談ができるかもしれない。

各都道府県のISO9000、ISO14000の担当窓口一覧を示しますので、是非、1度、問い合わせてください。

 

6.最後に

  このアンケートを実施する際に、各都道府県の担当窓口が判らないため知事宛にアンケートを出してしまいました。各知事には、大変ご迷惑をおかけいたしました。この場をお借りして、お詫びとお礼をさせていただきます。ありがとうございました。

 各都道府県の担当者の方々には、お忙しい中、ご協力ありがとうございました。また、アンケート実施の回収、対応、分析と協力を頂いた、高橋佐登子氏には大変感謝いています。ご協力ありがとうございました。

 

    以上